一過性意識消失をきたした一例 「失神」について
今日はJunior2・柴沼正先生から当院救急外来で経験した”一過性意識消失をきたした一例”の症例報告と「失神」についての考察がありました。
2月15日の会、Senior3大高章義先生のレクチャー「失神」からの展開です。以下に症例報告のプレゼン・スライド1枚目を添付しました。田中先生がよおく仰る”pertinent negative symptomsの重要性”が良く表れた1枚です。即ち、陰性症状)から、本例の一過性意識障害の原因が頭蓋内病変、心血管イベント、消化管出血である可能性は比較的少なそうだと、臨床・担当医の思考プロセスが良く反映されていると感心させられます。
今回も大変勉強になりました。
< 伊東ベテランズ 川合からの報告です >
【症例】〇歳 男性
【主訴】一過性意識消失
【現病歴】ホテルで17時30分から19時15分まで夕食を食べており、ビール中瓶1.5本ほど飲酒。食べ終わり、自室へ戻る際に気分が悪くなり立位で通路の手すりに捕まっていたが、意識消失し後方へ転倒し頭部打撲。家族が目撃しており痙攣はなかった。意識消失は2分間ほど持続。その後救急要請となった。 陰性症状) 頭痛、胸痛、嘔気・嘔吐、冷汗、黒色便、血便、痙攣、尿失禁